今から35年前、私が中学生の時、私の人生を大きく変える出来事がありました。それは英語のスピーチコンテストでチャップリンの映画「独裁者」の最後のシーンのスピーチをし、全校生徒中3位を獲ったことです。
なぜなら、私は人前に立って堂々とスピーチをするなんてとんでもないと思っていましたから。それまでの私は体操服にイタズラ書きをされて校舎中を連れて歩かされるなど壮絶ないじめにあっていました。
萎縮し怯え、人が怖いと思っていました。毎日毎日死にたいと思うほど辛い学生生活でした。そんな時に出会ったのがチャップリンの映画でした。自由自在にスクリーンの中で動き回るチャップリンに心動かされ魅了されました。
そして、そこに感情移入することで私はチャップリンと同じように自由自在に自分自身の感情を開放し表現することができるようになったのです。映画が唯一の救いでした。
私が数多くの映画から恩恵を受けたように、演じることで人に大きな影響と感動を与える俳優の仕事を志ようになったのは必然だったかもしれません。